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2022.07.10

古い保険の詰め物・被せ物の平均耐久年数と問題点

先生、この詰め物や被せ物はどらくらいもつのですか?

治療をする患者さんから、詰め物や被せ物がどれくらい維持されるのかをよく質問されます。
この質問に対しては、明確な回答をデータで持っているのでご説明致します。

以下の図は、院長である私の母校である岡山大学の予防科が、厚労省の依頼で調査した結果のデータがあります。それが掲載している図になります。

※保険診療の銀の詰め物被せ物の場合

詰め物・被せ物に関する耐久年数の図
レジン充填 5.2年
インレー 5.4年
鋳造冠 7.1年
アマルガム 7.4年
ブリッジ 8年
意外とこの結果を見ると、すごい短いように感じられます。
このデータは「きちんと維持できた場合」を想定していますので、二次カリエス(虫歯の再発)や噛み合わせの問題による脱離(詰め物や被せ物が取れてしまうこと)になる可能性を加味すると短期間でダメになってしまうケースがあることも事実です。

古いレジン充填、銀の詰め物・被せ物を除去すると不具合が発見される

補綴物を撤去したら腐敗していた写真

これは実際に銀の被せ物を除去した時の写真です。セメントが劣化しており、強い腐敗臭がしました。

また、経年的に適合性が悪くなっており、歯の根っこが細菌感染して、歯根の先端に膿が溜まっている状態でした。

お口の中が臭うと感じる場合、このような劣化した不良補綴物から臭いが発生している可能性を考える必要があるでしょう。

被せ物の土台が錆びている

この写真は被せ物を支えていた土台の部分です。
金属部分が錆びついていることが、おわかりいただけるかと思います。この素材はお口の中で数時間後に錆びつきはじめる素材でもあります。

歯を接着しているセメントが劣化し歯と詰め物・被せ物の間に隙間ができることで、二次カリエスになっているケース。もしくは材料自体が錆びていて、劣化しているなどの問題が多く発生しています。

金属の材料に問題があるから、耐久性が低くなる

再治療によって歯を失うサイクル
日本の保険制度で使用されている歯科金属(パラジウム合金や銀合金、昔ではアマルガム)を劣化しやすいセメントでセットすることが、のちに二次カリエスの問題を引き起こしているケースがとても多いです。

これをリピーテッドレストレーションサイクルといい、再治療の繰り返しによって歯を失っていく負のサイクルに繋がるのです。もしかしたら、そういった経験が皆さんにもあるかもしれません。

今考えられるベストな治療を行いましょう。


再治療によって歯を失うサイクル
自由診療であるセラミックの詰め物・被せものにすれば、保険のものと違って永久にもつのか?
という質問もいただきますが、使用する材料は今考えられるベストなもものを選択肢、最善の治療方法で行うため、保険診療の詰め物被せ物に比べれば長持ちすると言えます。

一方、30年・40年以上もつような耐久性があるのかと問われると、非常に難しい回答になります。(それは確実にもつであろうと言えない)

でも、今考えられるベストな治療方法を用いたほうが、確実に歯を失うリスクや再治療の回数、再治療の繰り返しによる抜歯を減らすことはできます。

それは全身の健康にも外が少ない治療であるため、かならずあなたのメリットになると言えます。

一度勇気を出して、古い保険の詰め物・被せ物を外して中を確認してみませんか?
その勇気があなたの歯を守る、重要な一歩になるかもしれません。

一度見てもらいたいと思ったら、お気軽にご予約・ご相談ください。

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