こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。
前歯は特に目立ちやすい部分なので「こどもが出っ歯かもしれない」と歯並びを心配する保護者の方は多いです。「出っ歯は放っておくとどうなるの?」「出っ歯を矯正する方法は?」など、疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、出っ歯の原因や、放置してはいけない理由について解説します。矯正方法や出っ歯を防ぐ方法もご紹介するので、こどもの歯並びが気になる方はぜひ参考にしてください。
目 次
出っ歯(上顎前突)とは?
出っ歯とは、上の前歯が下の前歯より大きく前方に突き出ている状態です。歯並び・噛み合わせの異常に分類され、日本人の不正咬合の12.9%を出っ歯が占めています。
出っ歯の種類と特徴
出っ歯の主な種類は、以下の2つです。それぞれの特徴を詳しく確認しましょう。
骨格性上顎前突
骨格性上顎前突とは、顎の骨の発育不良などによって上顎が前方に位置している出っ歯です。上顎の位置や大きさに問題がなくても、下顎が小さいことで出っ歯になっている場合もあります。
歯槽性上顎前突
歯槽性上顎前突は、上下の顎の骨格的な異常がなく、上の前歯が前方に傾斜していることが原因の出っ歯です。指しゃぶりなど、口周りの習慣や癖によって引き起こされることが多いでしょう。
こどもが出っ歯(上顎前突)になる原因
こどもが出っ歯になる主な原因は、以下の4つです。
遺伝
出っ歯が直接遺伝するわけではありませんが、顎や歯の形、大きさは、遺伝の影響を受けます。特に、顎の骨に問題がある骨格性上顎前突は、遺伝的な要因が大きいといわれています。
父親や母親、親戚に上顎が前方に位置している、下顎が小さいなどの傾向があれば、こどもに受け継がれる可能性があるでしょう。
指しゃぶり
指しゃぶりは、発達過程で生じる乳児期の遊びです。
生後2〜4か月頃から始まる行為で行うこと自体は問題ではありませんが、長期間指しゃぶりを続けると出っ歯の原因になります。指を吸う力によって、前歯が前方に押し出されるためです。
多くの赤ちゃんが行う行為で3歳頃までの指しゃぶりは歯並びにそれほど影響しません。そのため、無理にやめさせる必要はないでしょう。
口呼吸
口呼吸をしていると、常に口が開いている状態になります。上の前歯は外側から唇、内側から舌が押し合うことで、位置を保っています。
口呼吸で口が開いている状態が続くと、外側から前歯を押す力がなくなり、前歯が前方に押し出されて出っ歯になる可能性があるでしょう。
舌の癖
食べ物を飲み込むときや発音するときに、舌で前歯を前方に押す癖がある場合、出っ歯の原因になります。
出っ歯になると上下の前歯の間にすき間ができ、嚥下や発音がうまくできなくなります。そのため、無意識に舌で前歯のすき間を埋める癖がつき、さらに出っ歯が悪化することも少なくありません。
こどもの出っ歯(上顎前突)を放置してはいけない理由
出っ歯を放置すると、見た目だけでなく口腔内の健康や発音などに悪影響を及ぼします。こどもの出っ歯を放置してはいけない理由を、詳しく確認しましょう。
コンプレックスにつながる
前歯は、口を開けたときに特に目立ちます。そのため、出っ歯は見た目のコンプレックスにつながることが多いです。
口元を気にして笑顔になれない、人前で話をしたくないなど、消極的な性格になる可能性があるでしょう。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
出っ歯で歯に段差が生じると、磨き残しやすくなるため虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、前歯が前方に出ていることで唇を閉じにくくなり、口腔内が乾燥します。
唾液には口腔内を清潔に保つ働きがあるため、乾燥して唾液が少ない状態になると虫歯菌や歯周病菌が繁殖するでしょう。
奥歯の寿命が短くなる
重度の出っ歯になると、奥歯の寿命が短くなる可能性があります。上の前歯が前方に大きく出ていることで前歯が噛み合わず、奥歯を酷使するためです。
過度な負担がかかり続けると、割れるなどして奥歯を失う可能性があるでしょう。
発音しづらくなる
上の前歯が前方に出ていると、前歯の裏側に舌をつけて発音するラ行の発音が難しくなります。また、上下の前歯が噛み合わないことで空気が漏れてサ行の発音も難しくなるでしょう。
発音が不明瞭になると、コミュニケーションにも悪影響を及ぼす可能性があります。
こどもの出っ歯(上顎前突)矯正は何歳からできる?
こどもの出っ歯は、6歳頃に矯正を始めるとよいでしょう。6歳頃に治療を開始すれば、顎の骨の成長を利用して出っ歯を改善できるためです。
こどもの顎の骨は、6歳頃から上顎・下顎の順に成長し、8歳前後で90%ほどが完成するといわれています。8歳以上になると、顎の骨を広げられない可能性が生じるでしょう。
ただし、矯正治療の開始時期を身体年齢だけで決めることはありません。口腔内の状態や生え変わりの進行度、お子さまの状況を考慮して決定します。
こどもの出っ歯が気になり始めたら、早めに歯科医院を受診してください。矯正治療の適切な開始時期について相談するとよいでしょう。
こどもの出っ歯(上顎前突)を矯正する方法
こどもの出っ歯を矯正治療する主な方法は、以下の4つです。
プレオルソ
口周りの筋肉の発達を促し、本来の正常な歯列へと誘導する治療法です。マウスピース型の装置を日中1時間と就寝中に装着します。
MFT(口腔筋機能療法)というトレーニングを並行して行うことで、指しゃぶりや口呼吸、舌の癖の改善も期待できます。
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)
お子さまの成長を利用して、出っ歯を治療するマウスピース型の矯正装置です。基本的には就寝時のみ装着します。
装着時間が長いほど効果があるので、本人のやる気やご家族の協力が非常に重要な治療法です。
インビザライン・ファースト
目立ちにくい透明なマウスピース型の矯正装置を用いて、歯並びを整える治療法です。基本的には別々に行われる「顎の骨を拡大する治療」と「歯並びを整える治療」を同時に行えます。
インビザライン・ファーストでは、マウスピースを1~2週間ごとに交換して少しずつ歯を動かすため、痛みや違和感が少ないです。また、マウスピースは取り外しができるため、ふだんどおり食事や歯磨きができます。
ただし、装着時間が短いと十分な効果が得られません。1日20〜22時間マウスピースを装着する必要があるため、お子さまの矯正治療への理解や努力が欠かせないでしょう。
ヘッドギア
矯正装置の一部がお口の外にあり、頭に装着する矯正装置です。頭を固定源にして上顎を後方に引っ張ることで前方への成長を抑制し、顎の成長をコントロールします。
歯が並ぶスペースが不足して出っ歯になっている場合は、6歳臼歯を後方に引っ張って歯が並ぶスペースを確保します。1日12時間以上の装着が必要なので、日中家にいるときと就寝時に装着するのが一般的です。
こどもが出っ歯(上顎前突)になるのを防ぐ方法
こどもの出っ歯を予防する方法は、以下のとおりです。
生活習慣・癖を改善する
口呼吸や指しゃぶり、舌の癖などが出っ歯の原因となっている場合は、改善する必要があるでしょう。正しい呼吸法や舌のトレーニングなどを行います。
歯並びに悪影響を与える習慣や癖が改善されていないと、矯正治療で出っ歯を改善しても後戻りする可能性があります。そのため、可能な限り改善したほうがよいといえるでしょう。
よく噛んで食べる
骨格に問題がある出っ歯は、顎の骨の発育不良が原因の場合が多いです。骨は刺激を受けることで成長するので、よく噛んで食べることで顎の骨の発育を促すことができます。
柔らかい食べ物だけではなく、噛み応えのある適度に硬い食べ物をよく噛んで食べましょう。
まとめ
出っ歯になる原因は、遺伝や口周りの癖、習慣など数多くあります。
こどもの出っ歯を治療せずに放置すると、虫歯や歯周病になりやすい、発音が不明瞭になるなど、さまざまな問題につながるでしょう。出っ歯はコンプレックスになることも多いので、心の健やかな成長のためにもできるだけ早く改善することが大切です。
出っ歯の矯正を開始する時期は、顎の成長期にある6歳頃が最適です。顎の骨の成長を利用して顎の大きさやバランスをコントロールできるでしょう。
こどもの出っ歯が気になる方は、未来の健やかな歯並びのために、歯科医院で矯正について相談してください。
こどもの出っ歯の治療を検討されている方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。