こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。
「こどもの歯並びが悪くなる原因は?」「こどものうちから矯正すべき?」など、こどもの歯並びや矯正治療について気になる方は多いのではないでしょうか。こどもの歯並びが悪いままにすると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
骨格の発達や発音などにも影響を及ぼし、コンプレックスの原因になる可能性もあります。健やかな成長のために、こどもの歯並びが悪い状態について知っておきましょう。
今回は、こどもの歯並びが悪くなる原因や悪いままにするリスク、矯正を始めるタイミングについて解説します。ぜひ参考にしてください。
こどもの歯並びが悪い状態とは?
まずは、悪い歯並びがどういう状態なのかを知っておきましょう。こどもの歯並びが悪い状態は、以下のとおりです。
・叢生(乱杭歯)
・出っ歯(上顎前突)
・受け口(反対咬合)
・開咬(オープンバイト)
・すきっ歯(正中離開)
・過蓋咬合
・交差咬合
それぞれ詳しく確認しましょう。
叢生(乱杭歯)
叢生(乱杭歯)は、歯が重なりあってガタガタしている歯並びのことです。乳歯のときはきれいな歯並びでも、永久歯が生えるスペースが不足していると、捻れる・内側から生えるなどして叢生になります。
顎のサイズが小さく、歯の大きさに対してスペースが足りないことが主な原因です。歯磨きが十分に行われない場合、磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯は、歯が前方に出ている場合や、骨格に起因する問題がある場合に生じます。両方の原因を兼ね備えている場合もあるでしょう。
見た目の問題だけでなく、口をうまく閉じられないため口呼吸になり、虫歯や歯周病を引き起こしやすいです。
受け口(反対咬合)
受け口は、下の歯が上の歯より前に出ることで、噛み合わせが逆転する状態を指します。虫歯ができやすい、発音に問題が生じるなど、見た目以外にも影響を及ぼします。
開咬(オープンバイト)
開咬とは、前歯の上下が接触しない状態です。指しゃぶりや舌を出す癖、口呼吸、遺伝などが原因となり、下顎の成長が不適切な方向に進むと、開咬になることが多いです。
開咬の場合、前歯で食べ物を噛み切れない、はっきりとした発音が難しいなどの問題が生じます。
すきっ歯
すきっ歯とは、前歯にすき間がある状態です。正中離開(せいちゅうりかい)ともよばれます。
乳歯の段階では多くのこどもに見られる自然な歯並びです。基本的に乳歯よりも永久歯のほうが大きいので、乳歯の頃のすき間は、永久歯が生えるために必要なスペースといえます。
しかし、永久歯のすきっ歯は放置しないほうがよいでしょう。すきっ歯は、食べ物が歯のすき間に挟まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
歯のすき間から空気が漏れ、発音に影響を及ぼすこともあるでしょう。
過蓋咬合
過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上下の歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の歯を覆う状態です。ディープバイトともよばれます。
噛むときに下の前歯が上の歯茎に当たり、歯茎が慢性的に傷付くため口内炎になりやすいです。顎にも負担がかかるので、顎関節症を発症するリスクが高まるでしょう。
交差咬合(クロスバイト)
交差咬合とは、一部の下の歯が上の歯より前に出ている状態を指します。口呼吸や指しゃぶり・頬杖をつく癖がある、永久歯が生える位置が適切でないことなどが原因です。
交差咬合がある状態で顎が成長すると、顎や顔全体の形状に歪みが生じることがあるので注意が必要です。また、下顎の動きが制限されて顎の関節に負担がかかり、顎関節症を発症するリスクが高まります。
こどもの歯並びが悪くなる原因
こどもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝・虫歯・口腔習癖の3つに分けられます。それぞれの要因について、詳しく確認しましょう。
遺伝
両親の歯並びに問題がある場合、こどもにも同じ特徴が遺伝する可能性が高いです。歯の形や顎の骨格、筋肉の特性は、遺伝によって受け継がれることが多いです。
顎の骨格が原因となる出っ歯や受け口は、遺伝の影響を強く受ける可能性が高いでしょう。
虫歯
虫歯は、歯の位置や角度に影響を及ぼすことがあります。こどもの歯は大人と比べて歯質が柔らかく虫歯が進行しやすいため、早めにケアする必要があるでしょう。
また、乳歯が虫歯になると永久歯も虫歯になるリスクが高まります。乳歯は永久歯に生え変わると考えて放置せず、早期に治療を受けましょう。
口腔習癖
お口周りの習慣化した癖や行動を、口腔習癖といいます。歯並びは、唇や頬・舌のバランスのうえで成り立っているため、長期にわたる口腔習癖は歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。
歯並びに悪影響を及ぼす口腔習癖は、以下のとおりです。
・指しゃぶりをする
・唇を噛む
・舌を突き出す
・爪を噛む
・口呼吸をする
歯に過度の力が加わる、顎の発育が不足するなど、歯並びが悪くなります。口腔習癖を改善するために、矯正治療と併用してMFT(口腔筋機能療法)とよばれるトレーニングを行うことも多いです。
こどもの歯並びを悪いままにするリスク
正しい歯並びは、美しい笑顔を手に入れるだけでなく、健康な生活の基盤にもなります。
こどもの歯並びを悪いままにするリスクは、以下のとおりです。
虫歯・歯周病になりやすい
歯並びが悪いと、虫歯になりやすいです。歯ブラシがお口のすみずみに行き届きにくく、歯垢や磨き残しが溜まりやすいでしょう。
顔のバランスが悪くなる
歯並びや噛み合わせが正しくないと、顎の位置や形が変わることがあります。顎の位置が変わると、顔全体のバランスが悪くなるでしょう。
発音しづらくなる
歯と歯の間にすき間があると、空気が漏れて発音しづらくなります。また、舌や顎をスムーズに動かせないことで、発音が不明瞭になる可能性もあります。
特にサ行を発音するとき、正しい位置で舌を動かすことが難しくなるケースが多いです。不明瞭な発音では周囲の人が聞き取りづらく、コミュニケーションに支障が出る可能性もあるでしょう。
全身に悪影響を及ぼす
歯並びが悪いと、口内だけでなく全身にも悪影響を及ぼします。顎の関節に過度な負担がかかり、首や顔の筋肉が緊張するためです。
噛み合わせが悪いと、頭痛や肩こり、顎関節症などを発症するリスクが高まります。また、噛み合わせが悪いと咀嚼が十分にできないため、胃腸に負担がかかる可能性もあるでしょう。
矯正したほうがいいこどもの歯並び
こどもの健康を維持するために、矯正したほうがいい歯並びをご紹介します。
叢生
ガタガタした歯並びの叢生(そうせい)は、矯正したほうがいい歯並びの一つです。歯と歯が重なるため磨き残しや歯垢が蓄積し、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯は、矯正を検討すべき歯並びの一つです。見た目の問題だけでなく、口が閉じづらいことから口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
受け口(反対咬合)
受け口は、早期の矯正が推奨される歯並びです。歯磨きが難しく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、顎の関節に負担がかかるので、顎関節症のリスクも高まるでしょう。
発音に支障をきたす場合や、しゃくれているような見た目をコンプレックスに感じる場合が多いです。受け口は成長とともに目立つようになるため、早期に改善することが重要です。
開咬
前歯の上下がしっかりと噛み合わない開咬(かいこう)は、矯正治療が必要です。食べ物をうまく噛み切れないため、奥歯への負担が増えて歯や顎の骨を傷める可能性があります。
また、咀嚼が不十分になりやすいため、胃腸に負担がかかる可能性も高いです。
過蓋咬合
上の前歯が下の前歯を覆う過蓋咬合も、矯正を検討すべき歯並びの一つです。顎の動きが制限され、顎の関節や歯茎に負担がかかります。
噛むときに歯茎を傷付けて歯肉炎になるリスクもあるため、早期に治療したほうがいいでしょう。
交差咬合
一部の下の歯が上の歯より前に出ている交差咬合も、矯正を検討すべき歯並びの一つです。下顎がずれると、顔のバランスが悪くなる可能性があります。食べ物をうまく咀嚼できず、胃腸に負担がかかって消化不良を起こす可能性もあるでしょう。
成長とともに下顎のずれが大きくなるため、早い段階から治療を行うことが大切です。
こどもの矯正を始めるタイミング
こどもの矯正には、1期治療と2期治療の2つの治療時期があります。それぞれ始めるタイミングや治療の目的が異なります。
矯正治療を開始する最適なタイミングは、一人ひとり異なるでしょう。特に、反対咬合や交叉咬合が起きている場合は、乳歯の段階から矯正が推奨されることが多いです。
こどもの歯並びが気になったら、早めに歯科医院に相談しましょう。
1期治療(6~12歳)
1期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行います。一般的には、上の前歯2本、下の前歯4本の永久歯が生え揃った時期に治療を始めるといいとされています。
顎の成長を活用して、歯が並ぶために必要なスペースを確保する治療です。こどもの成長を最大限に利用するため、成長途中にあるこどもにしか行えません。
こどもの骨は柔らかく、歯を動かすのが比較的容易です。そのため、1期治療で矯正が完了することもあるでしょう。
2期治療(12歳以降)
2期治療は、すべての歯が永久歯に生え揃ってから行います。成人矯正と同じで、矯正装置を使って歯を動かし、良好な噛み合わせを実現します。
顎の成長がほとんど終わっているため、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要となることもあるでしょう。
まとめ
こどもの悪い歯並びをそのままにすると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。見た目や発音、顎の成長にも影響を及ぼすでしょう。
おとなになってからでも矯正治療はできますが、こどもの時期に治療する利点は多いです。顎の成長を利用して治療できるため、治療期間や費用を抑えられるでしょう。抜歯をせずに治療できる可能性も高いです。
こどもの健やかな成長のために、歯並びが気になる場合は歯科医院に相談しましょう。
お子様の歯並びでお悩みがある方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。