こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。
虫歯になった歯が痛くなると、多くの方が不安に感じ、手遅れに思うかもしれません。
しかし、痛みがあっても虫歯の進行状態によっては治療できる可能性は十分にあります。
今回は、痛みがでた虫歯に対しての治療法や虫歯の予防方法について解説します。
どれくらい虫歯が進行すると歯が痛くなる?
結論からいうと、エナメル質の下層に存在する象牙質(ぞうげしつ)まで虫歯が進行すると痛みがでるでしょう。
しかし、痛みの強さは虫歯がどこまで進行しているかによって大きく異なります。以下、虫歯の進行度と痛みについて解説します。
虫歯が象牙質まで進行した場合
象牙質は、象牙細管とよばれる細い管が集まった構造です。
虫歯が進行してエナメル質が溶けると、下層にある象牙質が露出します。象牙質が露出することで、冷たいものや熱いものなどを食べたときの刺激が、象牙細管を通って歯の神経である歯髄(しずい)にまで到達することがあります。この状態だと、食事のときに歯がしみるといった知覚過敏のような痛みが生じるでしょう。
虫歯が歯髄まで進行した場合
虫歯が象牙質の下層にある歯髄まで進行すると、歯髄に炎症反応が起きます。この状態を歯髄炎(しずいえん)とよびます。
初期の歯髄炎では、冷たいものや熱いものを飲食したときに、ズキズキとした痛みを感じるでしょう。さらに歯髄炎が進行すると、何もしない状態でもズキズキと激しく痛むようになります。痛みの程度によっては、夜眠れないこともあります。
歯髄が壊死した場合
歯髄炎が進行すると歯髄の壊死が起こります。この状態を放置すると、壊死した歯髄から歯の根っこの先に膿の袋が形成されるでしょう。
膿の袋により歯の周りにある神経が圧迫され、痛みが生じます。この状態だと、ものを食べたときに鈍い痛みが生じます。
虫歯になった歯が痛くなると手遅れ?
虫歯が痛み始めると、手遅れだと感じて歯科医院に行くことをさける方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、早めの対応を行うことで、虫歯になった歯を残すことができる可能性が高まります。
一方、痛みがある歯を放置すると、最悪の場合は抜歯する必要があります。そのため、歯に痛みがある場合、早めに歯科医院を受診しましょう。
痛みを感じるほどの虫歯はどのように治療する?
虫歯の治療方法は、虫歯がどこまで進行しているかによって異なります。
以下、虫歯の進行状態に分けて治療方法を解説します。
虫歯が象牙質に進行している場合
虫歯が象牙質に進行している場合は、虫歯を専用の器具で取り除き、専用の材料で詰めます。
一般的な虫歯治療の流れは、以下のとおりです。
①虫歯の除去
専用の器具を用いて、虫歯の除去を行います。虫歯が比較的浅い場合、麻酔は基本的に行いません。
しかし、虫歯が歯の神経に近い場合は痛みが生じる可能性があるため、麻酔を行ったあとに虫歯を取り除きます。
②詰め物
虫歯が比較的小さい場合は、コンポジットレジンとよばれる樹脂でできた詰め物で虫歯を取った部位を埋めます。虫歯が大きい場合は、歯型を取り、詰め物を作製して装着します。
虫歯が歯髄まで進行している場合
虫歯が歯髄まで進行している場合、歯髄を取る処置を行います。歯髄を取る処置のことを抜髄(ばつずい)とよびます。
一般的な抜髄の流れは、以下のとおりです。
①虫歯の除去
抜髄は痛みが生じることが多いため、麻酔を行います。麻酔の効果の確認後、虫歯の除去を行います。
②歯髄の除去
歯髄は、根管(こんかん)とよばれる管の中に存在します。専用の器具で根管の入り口を探したあと、ファイルとよばれる針のような器具で歯髄を取り除きます。
③根管内洗浄(こんかんないせんじょう)•根管充填(こんかんじゅうてん)
歯髄を取り除いたあとは、根管の中を洗浄します。この処置のことを根管内洗浄とよびます。
根管内の洗浄後、お薬を詰め、仮フタをするのが一般的です。
痛みの症状などが改善されるまで根管内洗浄を何回か行います。痛みが改善したあとは、最終的に根管充填といって根管内にお薬を詰める処置を行います。
⑤支台歯形成(しだいしけいせい)•被せ物の装着
根管充填が終わったあとは、被せ物を装着するための土台を形成します。この処置のことを支台歯形成とよびます。支台歯形成では、コアとよばれる専用の材料を使用して土台を立て、形を整えるのが一般的です。
その後、被せ物を作るための歯型を取ります。被せ物が完成したあと、歯に被せ物を装着して治療が完了です。
歯髄が壊死している場合
歯髄が壊死している場合は、壊死した歯髄を取り除く処置を行います。この処置のことを感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)とよびます。
感染根管治療の流れは、以下のとおりです。
①虫歯の除去
感染根管治療を始める前に、歯髄が生きているか確認します。歯髄が完全に死んでいる場合は痛みを感じないため、麻酔を行わず虫歯を取り除きます。
歯髄が一部生きている場合は痛みを感じることがあるため、麻酔を行ったあとに虫歯を取り除くことになるでしょう。
②壊死した歯髄の除去・洗浄
根管内の壊死した歯髄をファイルで除去し、根管内を洗浄します。洗浄後はお薬を詰めて仮フタをします。
歯茎の腫れや痛みなどの症状が改善するまで、根管内の洗浄を繰り返し行うことになるでしょう。
③根管充填・土台の形成
歯茎の腫れや痛みが消失したあとは、根管内に最終的なお薬を詰めます。その後、被せ物を装着するための土台を形成し歯型を取ります。
被せ物の完成後、土台に被せ物を装着して治療は完了です。
歯の根っこのみが残っている場合
歯の根っこの状態がよい場合、感染根管治療を行い、最終的に被せ物を装着します。歯の根っこの状態が悪い場合、抜歯しなければいけません。
抜歯を行ったあとの歯を補う方法には、ブリッジや部分入れ歯、インプラントなどがあります。
虫歯の予防方法
これまで虫歯の治療方法について解説しました。次に、虫歯の予防方法について解説します。
虫歯予防に特化した歯磨き粉の使用
食事すると、歯の表面にプラーク(歯垢)が付着します。プラークの中には多くの細菌が含まれており、食べ物に含まれている糖を分解し、酸を産生します。酸によって歯の表面が溶け、これが虫歯の原因となってしまうのです。この現象のことを脱灰(だっかい)とよびます。
一方、溶け出した成分が歯の表面に戻る現象のことを再石灰化(さいせっかいか)といいます。たとえば、フッ素は再石灰化を促進する働きがあり、虫歯の予防に有効です。ほかにも、フッ素には歯が酸に対して強くなる作用もあります。
虫歯の予防を行いたい場合、虫歯予防に特化したフッ素配合の歯磨き粉を選びましょう。
デンタルケアグッズを活用する
歯と歯の間や歯と歯茎の境目は、磨き残しが多いため虫歯になりやすいです。
デンタルグッズのなかには、これらの部位を磨くのに特化した歯間ブラシやフロス、タフトブラシなどがあります。磨き残しを少なくするためにも、デンタルグッズを上手に活用しましょう。
間食を減らす
お菓子に含まれる糖分はお口の中の細菌の栄養源で、虫歯の原因となります。そのため、間食を減らすことが虫歯の予防に有効です。
間食の習慣を改善することが難しい場合、糖分を多く含んだチョコレートやクッキーなどの間食をひかえ、せんべいなどの比較的糖分が少ないものを食べることも効果的です。
専門的なメンテナンスを受ける
歯科医院では、虫歯を予防するためにPMTCとよばれる歯のメンテナンスを行っています。
PMTCでは、専用の機械を用いて歯の表面を磨き、日頃のブラッシングで取ることのできない汚れを取り除きます。また、使用するペーストにはフッ素成分が含まれているため、虫歯の予防にも有効です。
まとめ
今回は、痛みが生じた虫歯の治療と虫歯の予防方法について解説しました。
痛みが生じた虫歯の治療方法は、虫歯がどこまで進行しているかによって異なります。虫歯が歯の神経に到達していない場合、基本的に虫歯を取って詰める処置を行います。
しかし、虫歯が歯の神経に到達している場合、歯の神経を取り、根管内を清掃する治療が必要となるでしょう。また、虫歯の影響で歯自体が揺れている場合、抜歯を行う必要があります。
虫歯の予防は、日頃のブラッシングや食習慣、定期的な歯のメンテナンスが非常に重要といえるでしょう。
虫歯治療を検討されている方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。