こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。
お子さまの矯正中は、食事に気をつけるべきでしょう。「どんなものが食べやすいのだろう?」「どんな食べ物を控えたほうがよいの?」など、疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
お子さまのストレスを減らしながらスムーズに矯正治療を進めるためには、食事の工夫が必要です。
本記事では、小児矯正中の食事で起こりやすいトラブルや、矯正中に選ぶべき食べ物、注意したい食べ物などを解説します。
目 次
小児矯正中の食事で起こりやすいトラブル
小児矯正中の食事内容を考える前に、起こりやすいトラブルを理解しましょう。実際にどんなトラブルが起こってお子さまに影響を及ぼすのか理解していると、問題を未然に防げます。
本項目では、小児矯正中の食事で起こりやすい6つのトラブルについて解説します。
痛む
痛くて食べ物を噛めない、硬い食べ物を噛んだら急に痛みを感じるなど、食事中に痛みが出る可能性があります。小児矯正で顎の骨を広げたり歯を移動させたりする過程で、歯周組織に負荷がかかっているためです。
特に、歯科医院で矯正装置を調節した直後は、強い力がかかるため痛みを感じやすいです。一般的に調整後2〜3日すると痛みは和らぎ、いつも通りに食事ができるようになります。
取り外せるタイプの矯正装置を使っている場合は、食事中は外せるので痛みが出にくいとされています。
しかし、歯周組織に負担がかかっていることは変わりません。食事の際に痛みを感じるリスクはあるでしょう。
装置に食べ物が引っかかる
取り外せる矯正装置の場合は、食事や歯磨きの際には外すので問題ありません。
しかし、口内に固定されて患者さまご自身では外すことができない装置の場合、食事も装置を装着したまま行います。食べ物が装置の隙間に挟まったり、歯と装置の間に詰まって取れなくなったりすることもあるでしょう。
特に、野菜やきのこ、肉類など繊維の多い食べ物や、ガムやキャラメルなどの粘着性のある食べ物は、装置に引っかかりやすいです。装置に食べ物が引っかかった状態だと違和感があるため、舌や指で触って怪我したり、装置が外れたりしかねません。
食べ物が口腔内に残っていると、虫歯の原因にもなります。
装置が破損する
食事中に装置が破損するのは、珍しいことではありません。固定式の装置の場合、ナッツや骨付き肉、せんべいなどの硬い食べ物を噛んだ瞬間に、外れることがあるでしょう。粘着性の強いガムやキャラメルなどを食べたときに、装置が食品に付着して外れることも少なくありません。
取り外し可能な装置でも、面倒だからと装着したまま食事すると、破損する可能性が高いです。
口内炎ができる
食事の内容によっては、口内炎ができる可能性もあります。食事中に矯正装置が頬の内側や舌などに当たり、傷つけることがあるからです。また、食べかすが装置に挟まったり、硬い食べ物が装置に当たったりすると、口腔内が傷つきやすくなるでしょう。
さらに矯正治療中は、注意しないと口が開きやすくなります。口が開いた状態で生活をしていると口腔内が乾燥します。口が乾燥すると粘膜が傷つきやすくなるので、口内炎になるリスクが高まります。
装置が着色する
色の濃い食べ物や、飲み物、ポリフェノールを多く含む食べ物を多く摂取していると、矯正装置が着色しやすくなります。
・カレーライス
・ミートソース
・ぶどうジュース
・緑茶
・大豆類
カレーライス、ミートソーススパゲッティなどはお子さまに大人気ですが、色が濃く着色しやすいメニューです。また、ぶどうジュースにはポリフェノールが多く含まれています。緑茶に含まれるカテキンは、ポリフェノールの一種です。
見落とされやすいのは大豆類でしょう。豆腐、豆乳などは乳白色ですが、大豆の成分であるイソフラボンはポリフェノールの一種です。渋みやアクなどの成分で、着色することがあります。
これらの飲食物を完全に避けるのは難しいですが、食後はすぐに歯磨きやうがいをすれば着色を防げます。
噛まずに食べるようになる
小児矯正中の食事では、噛んだときに痛みを感じるなどさまざまなトラブルが起こる可能性があります。そのため、食事中に痛い思いをしたくない、矯正装置が気持ち悪いなどの理由で、しっかりと噛まずに飲み込む癖がつくこともあるでしょう。
しかし、食べ物を噛まずに飲み込むと、顎が十分に発達しない可能性があったり、胃腸に負担がかかったりします。調整日から数日が過ぎ、ある程度噛めるようになったときにはしっかり噛むことが大切です。
お子さまの矯正治療中は、食事の内容を工夫したり一緒にメニューを考えたりして、矯正中でもできるだけストレスにならないようにしましょう。
小児矯正中に適した食事は?
毎日、食事をするため痛みや口内炎が続くと矯正治療はつらい」「矯正をやめたい」と感じるかもしれません。小児矯正中にお子さまがストレスなく食事を楽しめるように工夫してあげましょう。
本項目では、小児矯正中の食事内容について解説します。
野菜や果物
野菜や果物は、矯正中でも食べやすい食材です。
しかし、固形の野菜や果物をそのまま与えるとしっかりと噛んで食事をしなければならず、痛みの原因になります。例えば、次の工夫をしてあげましょう。
・スープにする
・スムージーにする
・茹でて柔らかい状態にする
・茹でた野菜を潰す
硬い野菜をそのままの状態で与えるのではなく、火を通して柔らかくしたり潰したりして食べやすくしましょう。野菜のポタージュにしたり、スムージーにしたりするとおいしく栄養素も補えます。
柔らかい食べ物
柔らかく煮込んだ食べ物は、矯正中でも負担にならず食べやすいでしょう。お粥やうどんなどは、痛みの状態によって硬さを合わせられます。スクランブルエッグやゆで卵、白身魚、豆腐なども、柔らかく食べやすいメニューです。
ハンバーグはあまり噛み砕く必要がないため、矯正中でも食べられるお子さまは少なくありません。炭水化物やタンパク質などの、必要な栄養素も摂取できます。
同じメニューばかりでは飽きてくるので、メニューのバリエーションを増やしたり一緒に考えたりして楽しく食べられるように工夫しましょう。
柔らかいおやつ
矯正装置を調整したあとのおやつは、プリンやヨーグルト、ゼリー、アイスクリームなどの柔らかい食べ物を選ぶとよいでしょう。食べられそうなら、ヨーグルトの中にバナナなどの柔らかい果物を入れるのも良いでしょう。
ゼリーは日持ちするので、いくつかストックしておくと必要なときにすぐに食べられます。チーズケーキや蒸しパン、ホットケーキなど、力を入れて噛む必要がない食べ物をおやつに与えることもできます。
栄養素の高い食事
上述しましたが、小児矯正中には口内炎ができるリスクが高くなります。口内炎の予防として、ビタミンB1、B2、B6、B16、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンを多く含むビタミンB群の食材を取り入れましょう。
例えば、豚と牛のレバー、卵、チーズ、はちみつ、のり、納豆などです。
小児矯正中に控えたほうがよい食べ物は?
小児矯正中に控えたほうがよい食べ物についても理解しておくことは大切です。うっかりと与えると、痛みが出たり矯正装置が壊れたり、思わぬトラブルが起こる可能性もあるからです。
歯科医師や歯科衛生士にも相談し、控えたほうがよい食べ物や控えるタイミングなどを把握しましょう。本項目では、一般的に小児矯正中に注意したい食べ物について解説します。
硬い食べ物
小児矯正中に硬い食べ物を与えるのは避けましょう。矯正中は、矯正装置で歯に圧力をかけて理想通りの歯並びへと誘導します。歯茎や歯槽骨、歯根膜といった歯周組織にも圧がかかっている状態なので、硬い食べ物を噛むと痛みを感じやすいでしょう。
硬い食べ物の一例を、下記に紹介します。
・肉類(加工肉ではないもの)
・ごぼうやレンコンなどの繊維の多い根野菜
・せんべい
・りんご
矯正装置を調整した直後や、マウスピースの交換直後は新しい力が歯にかかります。痛みを感じやすい時期なので、硬い食べ物は避けましょう。
粘着性のある食べ物
粘着性のある食べ物は、矯正装置にくっつきやすく取れにくいため控えたほうがよいでしょう。例えば、ガム、キャラメル、ソフトキャンディー、水飴などです。食べている途中で矯正装置に付着し、装置が取れる原因になります。
また、粘着性のある食べ物が装置や歯に付着すると、歯磨きやうがいではきれいに落としきれません。糖が多く含まれている食べ物が装置や歯に長時間付着すると、虫歯のリスクが高くなります。
虫歯になると矯正治療を一旦中断し、治療をしなければならないケースが多いです。治療が計画通りに進まない可能性も考えられるでしょう。
着色しやすい食べ物
矯正装置が着色するのを防ぎたい場合は、上記で紹介した色の濃い食べ物やポリフェノールを多く含む食材を避けることも大切です。
しかし、カレーうどんやミートスパゲッティ、豆腐などは柔らかい食べ物なので、矯正中に食べることもあるでしょう。着色しやすい食べ物を飲食した後はすぐに歯磨きとうがいをして、装置に色が沈着しないように対応してください。
歯や矯正器具に引っかかりやすい食べ物
歯や矯正器具に引っかかりやすい食べ物は注意しましょう。上記でも触れたように、矯正装置に食べ物が引っかかると、虫歯のリスク高まります。また、舌や指で触って怪我をしたり、装置が壊れたりする危険もあります。
装置に引っかかって残りやすい食べ物の一例を、下記にまとめました。
・肉や魚類
・せんべい
・ポップコーン
・きのこ類
・ほうれん草
・もやし
食後の歯磨きの重要性
矯正治療中であってもそうでない場合でも、歯磨きは非常に大切です。小児矯正中は特に、食後の歯磨きの習慣と、正しい歯磨き方法を身につけることは不可欠です。
固定式の装置の場合は食後に食べかすが装置に残りやすく、そのまま放置していると虫歯になります。取り外し可能な装置の場合でも、食後の歯磨きは重要です。
先ほどもお伝えしましたが、矯正治療中に控えたほうがよい食べ物の全てを避けるのはほぼ不可能です。着色や虫歯のリスクを減らすためにも、食後の歯磨きを習慣づけましょう。
歯ブラシ以外のツールも使用する
歯ブラシを使って正しい方法で磨くことは重要ですが、歯ブラシだけでは汚れを十分に落とせません。歯と歯の間や、矯正装置の隙間などの汚れを歯ブラシだけで落とすのは難しいので、タフトブラシやデンタルフロスを併用しましょう。
タフトブラシやデンタルフロスは矯正治療中の人だけでなく、健康的な口腔内の人も使用するのが理想です。ブラッシング指導を受けるなど、子どもの頃から使い方を習得するとよいでしょう。
歯科医院で定期的にクリーニングを受ける
歯科医院で定期的にクリーニングを受けることも重要です。タフトブラシや歯間ブラシを使ってきれいに磨けるようになったとしても、隅々まで完璧に磨くのは難しいからです。
クリーニングでは、専用の機械やブラシを使って、矯正装置のパーツや歯と歯の間など細かい部分を丁寧に磨きます。フッ素を多く含むペーストを使って磨く歯科医院も多く、小児矯正治療中の虫歯予防にもなります。
まとめ
今回は、小児矯正中の食事について解説しました。食事中は、痛みが出る、口内炎ができる、装置が破損するなどのトラブルが起きやすいです。痛みが出るとストレスを感じ、矯正治療に対してネガティブな思いを持つ可能性もあるでしょう。
トラブルが起きるリスクを減らすためにも、食べ物の選び方に特に注意しましょう。硬いものやよく噛んで食べる必要がある食材は避け、しっかり噛まなくても食べられる柔らかいメニューにしてください。
お子さまの意見を聞きながら一緒にメニューを考えると、お子さまも意欲的に取り組みやすくなるでしょう。また、食後の歯磨きの習慣を守り、虫歯や着色を防いでください。
歯科医師とスタッフ一同も、食事指導やブラッシング指導などを実施して矯正治療をサポートいたします。ポイントを押さえ、お子さまと一緒に小児矯正を進めましょう。
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