ボーンキャビティー除去法(腐骨除去)

ボーンキャビティー除去法
(腐骨除去)について

ボーンキャビティー除去法(腐骨除去)について

皆さんもご覧になられたかもしれませんが、最近、テレビや新聞、雑誌などで「歯周病と全身疾患」との関係をよく取り上げられているようです。「歯周病」に罹患した人は「心筋梗塞」や「糖尿病」が悪化する確率が非常に高くなる、という内容です。

このように、体の中で離れたところに2次的に感染を引き起こすことを「病巣感染」といいます。病巣感染の原因は、歯、扁桃、上咽頭が90%以上を占めると言われています。病巣感染の原因となるのは歯周病だけではありません。 実は「根管治療した歯」や、通常の抜歯によって生じる「ボーンキャビティー」も全身疾患と非常に強い関連があります。

歯や顎骨の口腔が原因となる病巣感染を「歯性病巣感染」といい、関連する病気は、

  • 心疾患(心筋梗塞、高血圧、不整脈、心内膜炎など)
  • アレルギー性疾患
  • 慢性関節リウマチ
  • 腎臓疾患(腎炎など)
  • 自己免疫疾患(多発性硬化症など)
  • 眼疾患(ブドウ膜炎など)・喘息など

根の先に膿がたまったり、歯周病が進んでしまって歯を抜くとき、根の周りに取り巻いている「歯根膜」や「硬化性骨縁」の部分を除去せずに抜歯してしまうと、そこには健全な骨の再生ができず、細菌やウィルスに感染した腐骨になってしまいます。

歯根膜繊維は吸収されにくいので抜歯後、長期に残存することにより血流障害をおこすことと、歯根膜繊維があると歯がまだあると生体がみなしてしまうために、健全な骨の再生ができなくなります。

また、感染源の細菌やウィルスを患部から外に流出するのを防ごうとする生体防御反応として作られた硬い骨のバリアである「硬化性骨縁」は非常に血流が悪いため、骨の再生ができなくなります。

1996年のリービーとハギンスの調査によると、691例の抜歯ケースで77%にボーンキャビティーがあったとのことです。親知らずは354例中88%にボーンキャビティーが存在していたと発表しています。

腐骨除去法
(ボーンキャビティー除去法)

抜歯するときは歯根膜繊維をきちんと除去することが重要です。周囲に感染した骨や硬化した骨がある場合は、その部分も除去することが重要です。
除去するときは強い抗酸化力があり、免疫力が上がる高濃度ビタミンC点滴をしながら行うと効果的であり、抜歯したところに血液から作成したフィブリンを入れるとより一層治りがよく、早くなります。
このように全身疾患との関係を考慮して治療する歯科医師をバイオロジカル・デンティストといい、アメリカやドイツをはじめとするヨーロッパではこの数年で増えてきています。 ちなみに、腐骨除去手術をしている歯科医師数は、アメリカで約80人、ドイツで約100人とのことです。

腐骨除去法(ボーンキャビティー除去法)

2013年国際オーソモレキュラー学会@トロント
トーマス・レヴィー医師(米国心臓血管専門医)

腐骨除去法(ボーンキャビティー除去法)

「乳ガンや頭頸部ガンの最大の原因は、リンパ系で直接つながっている口の中の感染根管である。また、これらは心臓病にも深く関わっている。」

歯根に膿がある場合は
全身の病気との関係が
問題になる

どのような状況に
なっているのか?

歯の中 根管(主根管、側枝)、象牙細管の中に病原性をもった細菌が充満している状態です。
また、血行がないので生体の免疫力は全くゼロです。
膿のある部位 病原性をもった細菌と免疫細胞とが戦っている状態で膿が生じています。
周囲の骨も感染しています。

治療していく場合

抜歯 無菌化するには最も確実な方法。
周囲の骨も感染しているので一層削除することが重要。
根管治療 太い主根管のみ清掃が可能。
レントゲン上で治癒したように見えても側枝や象牙細管には細菌が存在したままで病原性は残っている。
歯根端切除 歯冠歯根比が低下して弱くなる。
レントゲン上で治癒したように見えても側枝や象牙細管には細菌が存在したままで病原性は残っている。

治療しない場合

全身に対する影響をできるだけ少なくすることが大切です。 その為に、抗酸化力のあるビタミンC(高濃度ビタミンC点滴 リポスフェリックビタミンC)の摂取をおすすめします。

歯性病巣感染について

歯性病巣感染について

皆さんはご存知ですか?虫歯と全身の病気は関係しているのです。
膿をもった歯がある、と言われたことはありませんか?その場合その歯は感染があるということです。一般的に虫歯になり感染(膿)を起こしてしまった場合、歯の根管(根っこ)を消毒する処置を行います。

しかし、歯の象牙細管は顕微鏡でしか見ることのできない程細かい管でできており、その管の長さは全てつなぐと前歯(単根歯)でも約4.8kmにもなると言われています。

ボーンキャビティ除去法の
症例

Case1 50代女性の症例

主訴

令和3年4月来院。
かかりつけの歯医者で、根管治療をしていたケースです。
大分前から右下に違和感が続いているという主訴で来院されました。

診断

診断CTを撮影したところ、遠心にひびが入っているかもしれない上に骨吸収も著しい状態でした。そのため、根管治療での保存は不可能であると判断しました。

説明

根尖病巣の説明を行い、身体のために抜歯とボーンキャビティ除去法をご提案しました。

治療内容

抜歯をしたところです抜歯をしたところです。
不良肉芽もミラーに写っています。

嚢胞を摘出しているところ嚢胞を摘出しているところです。

周りの感染した骨を取り除いています。周りの感染した骨を取り除いています。

血液から採取したフィブリンを抜歯口に入れています。血液から採取したフィブリンを抜歯口に入れています。

縫合したところです。縫合したところです。
患部が治癒したら、欠損補綴に進みます。

治療概要
治療期間 抜歯〜縫合 10日間
治療のリスク
  • コツを削除するため、下顎管を傷つける可能性がある
  • 菌血症によって熱がでるなどの症状がある(歯周治療を行う必要がある)
  • 出血がある(外科治療である)
治療費用 154,000円(税込)

Case2 50代女性の症例

主訴

1年くらい前に旅行中に脈を打つ痛みがでたので、左上6番を抜髄して、1年かけて治療しました。
その治療前にその歯医者でCTを撮ると、副鼻腔炎の疑いがあるということで耳鼻科を紹介されました。
診断結果は副鼻腔炎ではなかったそうです。
その後治療したが、痛みが取れなかったようで、来院3日前より咬合痛が出たことで当院に来院されました。

診断

根管治療後、クラウンまで治療を完了していました。
CT撮影後、一度被せ物を外しましょうと提案し、実際に拝見したところ、歯根破折をしていました。

治療内容

破折した歯を抜歯しました。破折した歯を抜歯しました。

嚢胞を除去します。嚢胞を除去します。

感染した骨の削除しています感染した骨の削除しています。

抗生剤を抜歯口に入れる抗生剤を抜歯口に入れる。

フィブリンを入れていますフィブリンを入れています。

縫合して、患部が治癒した後に補綴へ移行します縫合して、患部が治癒した後に補綴へ移行します。

治療概要
治療期間 抜歯〜縫合 10日間
治療のリスク
  • コツを削除するため、下顎管を傷つける可能性がある
  • 菌血症によって熱がでるなどの症状がある(歯周治療を行う必要がある)
  • 出血がある(外科治療である)
治療費用 132,000円(税込)

ボーンキャビティ除去法の
詳細

治療内容 歯が原因で感染した歯根周囲の組織を除去する方法です。
費用 110,000円~154,000円(自由診療)
治療期間、回数 1回(消毒や経過観察を含めると3回)。期間は1日から10日。
副作用やリスク 手術で使用する高濃度ビタミンC点滴で血管痛が出ることがある。また、抗生物質や鎮痛剤の副作用が出ることがある。

ボーンキャビティ除去法の費用

前歯 110,000円
小臼歯 132,000円
大臼歯 154,000円

※税込み価格です。

無菌化抜歯法(ボーンキャビティー除去法)Q&A

治療内容を聞くと少し怖いのですが痛くないですか?

はい、痛くありません。
当院の無痛麻酔で十分に麻酔を効かせますので痛みはありません。
しかし、治療内容を聞くと少し怖いですね。
どうしても怖くて不安な方には、鎮静法で行うこともできます。
笑気鎮静法や静脈内鎮静法があります。 
ご希望される場合はお尋ねください。

抜歯をした後腫れたり痛みは出ますか?

腫れることもないですし痛みも出ません。
当院では数多くの無菌化抜歯法を行なっていますが、腫れることもないですし痛みはほとんど出ません。
腫れたり痛みが出ない方法で行なっているからです。

どうしてサプリメントを飲む必要があるのですか?

抗酸化力を上げることと、術後の治りを良くするためです。
外科処置を行う場合は、酸化物質が血中に入るので抗酸化力を上げておくことが必要です。
また、術後の治りをよくしておかないと再感染の恐れがあり、無菌化することができなくなってしまいます。
そのために、術前からサプリメント飲んでいただくようにしております。
そして、できたら食事にも配慮していただきたいと思います。
このことについては、スタッフから説明させていただきます。

治療期間はどれくらいかかりますか?

治療と消毒、抜糸を含め約1週間です。

治療の時間はどれくらいかかりますか?

約2時間です
術前の口腔内の消毒、麻酔、抜歯、術後のケアを含めてトータル約2時間です。
ただし、 お口を開け続けておく時間はそんなに長くはなく、だいたい20分ほどで通常の歯科治療と変わりません。

当日の過ごし方は?

できるだけ安静にしておいてください
血圧を上げる要因となる激しい運動や長時間の入浴は避けてください。
また体力を消耗するような仕事やスポーツも避けてください。

抜歯後にインプラントを希望しているのですがこの治療は必要ですか?

はい必要です。
特にジルコニアインプラントをする予定の場合は必須です。
この方法で抜歯して無菌状態の骨を作っておかないとジルコニアインプラントは定着しません。
チタンインプラントの場合も、この方法で抜歯しておくことが望ましいです。
感染した骨の中にチタンインプラントを入れても定着しにくいばかりではなくインプラント周囲炎の原因にもなります。
また金属であるチタンの害(アレルギー反応や免疫撹乱)が出やすくなります。

普通の歯科医院で行なっていないのはなぜですか?

全身との関係を考慮した歯科治療ではないからです。
歯を残すことだけを考えるのではなく全身の健康との関連性を考慮した歯科治療のことをホリスティック・デンティストリーと言ったり、バイオロジカル・デンティストリーと言います。
これは、 ドイツスイスオーストリアを中心としたヨーロッパやアメリカの一部で行われている歯科治療ですが、日本の歯科治療の主流ではありません。
当院では、全身の健康を考えた歯科医療である「全身歯科」を診療理念に置いているので、この無菌化抜歯法を行っているのです。

神経がない歯があり気になっています。根の先に膿がなく痛みもありません。
予防的にこの方法で抜歯した方がいいですか?

細菌毒性検査をしてから判断することをお勧めします。
神経を取った歯の多くは感染をしています。
特に保険治療で神経を取って銀歯を被せた歯のほとんどは感染をしています。
そのような歯が口にあると全身の病気を悪化させるリスクとなるので、抜歯することを検討するのは間違いではありません。
しかし、神経を取った歯が全て感染をしているわけではないので、毒性が強い細菌に感染しているのかどうかを検査してから判断することをお勧めしています。
当院では細菌毒性検査で調べることができます。

親知らずの抜歯もこの方法でした方がいいですか?

はい。
親知らずを抜歯した部位の約80%以上がボーンキャビティーになっているという報告もあります。
従って親知らずの抜歯も当院の無菌化抜歯法で抜歯することをお勧めします。

昔、普通に抜歯したところがあります。ボーンキャビティになっていないか心配なのですが、、、

一度検査されることをお勧めします。
自分の口の中にボーンキャビティがあるのかどうかは、一部の非常に敏感な方は分かるのですが、ほとんどの方は自覚症状がないので分かりません。
体の不調が出て初めて調べる方が多いです。
ですから、 健康な状態の時に早めに調べておくことが大切です。
当院では検査することができるので、ぜひお問い合わせください。

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