- 最初の根管治療がとても大事
- 細菌感染
- 歯の中から全身へ
- 当院の無菌根管治療
- 無菌根管治療のメリットデメリット
- 根管治療の成功率
- 無菌根管治療に必要な3つの機器
- 歯根端切除:外科的歯内療法
マイクロサージェリー 下からのアプローチ - 根管治療の4つのコンセプト
- 根管治療成功のポイント
- 根管治療の内容
- 根管治療の流れ
- 根管治療の症例
- 根管治療の費用
- 治療後のメンテナンスも重要です
- 無菌根管治療Q&A
動画でわかる無菌根管治療
最初の根管治療がとても大事
~全身の病気とかかわる歯性病巣感染を引き起こしてしまわないために~
歯の構造と象牙細管
歯は大きく分けて3つの層から成り立っています。
一番外にあるのがエナメル質です。
鎧のように固く、非常に強固に歯を守る組織です。 その下には象牙質があり、さらに奥にいわゆる神経があります。
神経は血管と一緒に走行しています。 象牙質を顕微鏡で拡大すると「象牙細管」があるのが分かります。
この象牙細管の総延長の長さは前歯では約4㎞にもなります! 奥歯であれば12㎞!
細菌感染
歯が生きているときは、この象牙細管の中を液体が循環して歯の内部へ栄養物質を運んでいます。しかし、神経を取った歯は死歯といわれるように死んでしまっており、血液の循環がなくなってしまっています。
そうなると、象牙細管内に液体が循環することもありませんから、免疫力がゼロになってしまっています。
ですから、もしもこの時に歯の内部に少しでも細菌がいると、その細菌はどんどん増殖していくことになってしまいます。
前歯だと4㎞、奥歯だと12㎞もある象牙細管の中で、細菌は増殖し続けていきます。
この増殖がいったん進んでしまうと、もはや無菌にすることは不可能です。
歯の中から全身へ
神経を取った歯の象牙細管の中で細菌が増殖していくと、やがて歯の内部からあふれ出てきます。
あふれ出た細菌は、血液やリンパの流れに乗って全身へと運ばれていくことになってしまいます。
その細菌が新たに住み着く先としてはあらゆる臓器や組織で、様々な病気と関係する感染病巣となっていきます。
関係する病気
ガン(乳がん、頭頚部のガン)、リウマチ、うつ病、痴呆症、心筋梗塞、脳梗塞、不整脈、糖尿病など
最初の根管治療が大事
ですから、神経を取らざるを得なくなってしまったら、神経を取る歯の内部で細菌感染をさせないことが非常に重要となります。
神経を取る治療の時はもちろんそうですが、神経を取った後も感染させないようにしないといけません。最初の根管治療で感染させてしまうと、象牙細管の中を含めた歯の内部から細菌を根絶することはほとんど不可能になってしまいます。
当院の無菌根管治療
そこで、当院では次のような根管治療を行って歯の内部を無菌化にしていきます。
- マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った精密な根管治療
- 様々な薬剤を使って無菌化する
- 細菌検査しながら治療を進めていく
その根管治療した歯は治っているのですか?
昔神経を取った歯が痛くなって、歯科医院で治療してもらうことがあります。
レントゲンやCTで検査すると神経を取った歯の根の先に黒い影があり、根の先が膿んでいると歯科医師から告げられます。 その、根の先に膿ができたしまった歯を根管治療して治療がうまくいくと、数か月後レントゲン撮影すると膿の像がなくなっていることがあります。
このとき治療した歯科医師は「治った」と判断して患者さんにそう伝えます。 患者さんも、そのときはもう痛みもなくなっているので歯科医師の言葉を納得して受け入れます。
しかし、本当にその歯は治ったといえるのでしょうか?
根の先に膿が溜まった歯の象牙細管の中は細菌で充満しています。 根管治療をして、レントゲンやCTで膿の像が消えたからと言って、本当にその象牙細管の中の細菌がゼロになったといえるのでしょうか?
もしも、象牙細管の中に細菌が残っていたらどうなるのでしょうか?
全身の病気にかかわる歯性病巣感染になり、寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
当院では、神経を取った歯の内部に悪玉菌がどれだけいて、どれくらい毒性が強くなっているか検査することができます。
痛くなく、根の先に膿がないからといって安心できません。 とくに、保険で根管治療した歯のほとんどが感染していますので、一度検査してみることをお勧めします。
無菌根管治療の
メリットデメリット
メリット
- 抜歯をすすめられた状態の歯でも残せる可能性がある
- 細部にわたり、精密な虫歯治療ができる
- 再発、再治療を防いでくれる
デメリット
- 歯が脆くなることがある
- 歯の感覚が無くなるので再発しても症状を自覚しづらい
- 数回の通院が必要
- 治療費がかかる
根管治療の成功率
根管治療は歯科治療の中でも難易度が高い治療です。
日本では保険治療で根管治療ができますが、イニシャルトリートメント(初めての根管治療)では30%〜40%と成功率としては低い数値になっています。
一方、世界水準で見てみると80%〜90%と高い成功率を誇ります。
また再治療になると成功率は著しく低下し、日本の保険診療では10%〜30%、世界水準でも40%〜60%という報告があります。治療の繰り返しは歯の寿命が縮まってしまうことに繋がります。
したがって、難易度の高い根管治療の成功率を高めるためにはイニシャルトリートメントが重要であり、世界水準の治療が求められるということと共に治療後のメンテナンスが重要であることがわかります。
① 初めての根の治療の場合
【アメリカ(マイクロ):80-90%、日本(保険)30-40%】
②根の先に膿がたまって再治療する場合
【アメリカ(マイクロ)%:40-60%、日本(保険)10-30%】
② 根の先に膿がたまって外科的歯内療法をする場合
【アメリカ(マイクロ):80%以上、日本(保険)50%以下】
(マイクロ治療の場合①と③で96%の成功率)
世界水準の根管治療を
実現するために
世界水準の治療は成功率が日本の保険診療に比べて高いというのは先程お伝えしましたが、ご覧の方には想像していただきたいです。
確実に見える治療と手探りの治療、どちらが成功率が高いと思いますか?もちろん確実に見える治療とおっしゃると思います。
これまでの根管治療は経験と勘に基づいた治療でしたが、それに設備や道具を加えることによって治療の精度が飛躍的に向上しました。
それが歯科用CT・マイクロスコープ・ラバーダム防湿・NiTiファイル・ドックスベストセメントを根管治療に用いることです。世界の歯内療法専門医(根管治療専門医)でもこの4つはスタンダードになっています。
当院では世界の歯内療法専門医と同等の設備を有し、歯の保存を目指して今までの経験を注ぎ込む治療を行っています。
無菌根管治療に
必要な3つの機器
世界水準の精密な根管治療には次の3つが必要です。
マイクロスコープ(実体顕微鏡)
根の中を明るく照らし、拡大してよく見えるようにして治療ができるマイクロスコープは肉眼で見えないものを最大21倍にして観察できる技術を搭載している歯科用の顕微鏡です。
マイクロスコープは治療部位に直接明るく強い光を当てることができますので従来の歯科用ライトよりも鮮明に病気の状態がわかるようになります。
歯科用CT
精緻な3次元画像で正確な診断と治療計画を立てることができるCTは、コンピュータを駆使してデータ処理と画像の再構成を行い、断層写真を見ることが出来る装置です。
機種や撮影範囲などによってさまざまな違いはありますが、歯科用CTは医科用のCTと比べて被曝量が少ないのが大きな特徴で、撮影時間も短時間で済むことから患者様の負担も少なく検査を行えます。
ニッケルチタン製ファイル
弾性に富み、よくしなる金属の性質によって複雑な根管でも治療できるようになった根管治療では、虫歯によって侵された神経を取り除くため、ニッケルチタン製ファイルと呼ばれる器具を使用します。
当院で使用しているニッケルチタンファイルは、より神経を除去できる優れた柔軟性を持っているため、患者様の歯を残すための無菌根管治療が可能となります。
アートセンター歯科ではもちろん、この3つを揃えて(最上位機種)万全の態勢で治療に取り組んでおります。
歯根端切除:外科的歯内療法
マイクロサージェリー
下からのアプローチ
根の治療が終わって、土台をたて被せをしても、その後に根の先に炎症を生じ、腫れたり痛んだりすることがあります。
これは、根の形態がとても複雑で、狭窄していたり湾曲していたりすることが多く、また、微小な根管が枝分かれ(側枝)していたりするために、上からのアプローチでは根管内を完全に清掃、消毒して無菌化することが不可能であるためです。
従って、このような場合は、枝分かれ(側枝)が多い根の先の部分を外科的に除去する方法を行います。
この治療を外科的歯内療法の歯根端切除といい、マイクロスコープ(顕微鏡)を使うと格段に成功率が高まります。
従来の肉眼での外科的歯内療法の成功率が約50%であったのに対して、マイクロスコープ(顕微鏡)を使用した外科的歯内療法(マイクロサージェリー)では約80-90%の成功率となっております。
この外科的歯内療法(マイクロサージェリー)の成功率が高くなってきたことも、最近は以前に比べて歯を残すことができるようになってきた大きな要因となっております。
マイクロスコープ(顕微鏡)を使った根の治療がスタンダードになった現在では、根の治療には「上からのアプローチの治療」と「下からのアプローチの治療(外科的歯内療法)」の両方を合わせて「根の治療」であるとの認識になってきております(上からのアプローチと下からのアプローチで96%の成功率)。
根の治療(根管治療)=「上からのアプローチの治療」+「下からのアプローチの治療(外科的歯内療法)」
眠った状態で治療できる「鎮静法」というものがあります。
当院ではインプラントの時に行っており、とても楽に外科治療を受けることができます。
ご検討される場合は、スタッフが説明しますのでおっしゃってください。
根管治療の
4つのコンセプト
当院では根管治療を行うにあたり、以下のコンセプトで治療に取り組んでいます。
Concept1 歯科用CTを用いた診査・診断
根管というのは非常に複雑で、人それぞれ歯の本数や形が違います。どの歯のどの歯根が感染しているのか?根管治療で改善できる状態にあるのか?を見極めることが重要です。
歯を残すという基本概念と、患者さんの背景、他の歯への影響度を十分に加味する必要があるからです。
Concept2 保存可能性のある神経は
できるだけ残す
歯の神経は、歯にとって心臓と同じです。歯の神経を失うことは栄養供給を絶たれてしまうことなので、次第に弱り、歯が割れやすくなってしまいます。
歯にとって大切な役割を持つ神経を可能な限り残すためにドックスベスト法を用いた治療を行っています。
Concept3 イニシャルトリートメント(最初の根管治療)に全力を注ぐ
最初の根管治療はとても重要です。
理由は2つあり、
- 治療のやり残しによって、歯根に膿が溜まるためやり直しが必要
- 治療の繰り返しによって、抜歯になる可能性が高まる
再根管治療(根管治療の再治療)は、成功率を格段に下げてしまうため、1回目の根管治療にすべてをかけると言っても過言ではありません。
当院ではマイクロスコープ・ラバーダム・NiTiファイルを駆使して治療を行います。
すべては患者さんの歯を保存し、予後を良好にするためです。
Concept4 治療時のリスクの排除
根管治療時に大切なのは、感染源を断つことです。 感染源は「唾液」です。唾液に含まれる細菌が感染リスクを高めますので、ラバーダム防湿というゴムシートを用いて、小さな手術室を作るようなイメージで唾液が侵入するリスクを最大限排除します。
根管治療成功のポイント
1、歯科用CTを用いた診査・診断
診査・診断は歯科治療において重要です。
歯科用CTを使うことは、通常のレントゲンではわからない根管の形態・根管の数・歯の状態・感染源の予測などが可能になり、より的確な診断に繋がるだけでなく綿密な治療計画の立案にも役立ちます。
2、マイクロスコープを使い
感染部を徹底的に除去
根管というのはとても細いため目視では確実に見えた状態で治療はできません。そこで重要になるのがマイクロスコープです。
最大21.3倍にまで拡大することができるため、肉眼では見ることのできない部分を確認しながら治療することができるようになりました。
3、ラバーダム防湿でリスク管理
ラバーダムは根管治療では必須の道具です。
無菌的環境を作り出し、唾液に触れないようにする。また、治療物質を飲み込んでしまうことも防止できます。根管治療は細菌との戦いとも言えますので、感染源を断つという意味でラバーダムは必須になります。
4、NiTiファイルの使用
NiTiファイルの利点は弾力性が高く軟らかいため、複雑な根管にも対応することができる点です。通常使用するファイルでは感染物質を取り残してしまう場合がある上にファイルが折れてしまい、根管内に残存しているケースも少なくありません。NiTiファイルを使用することは複雑な根管でも正確に治療するために重要な器具になります。
5、ドックスベストセメント
ドックスベストセメントに含まれる鉄イオンと銅イオンの殺菌力を用いることによって神経を残せる可能性が高まります。また、残念ながら抜髄をした場合でも根管の殺菌にも効果が期待できるので、根管治療では必要不可欠なセメントになります。
6適合性の高い補綴物
根管治療はお口を開けている時間が長く、少なからずとも患者さんにも負担がかかります。
大変な思いをして治療をしたにも関わらず、被せ物の適合性が低く、脱離(取れてしまう)や隙間から細菌が侵入してしまい、治療した歯の再治療を余儀なくされるケースがあります。適合性が高い補綴物を作成することは根管治療を完結する上でとても重要なのです。
根管治療の内容
根管治療には様々な治療法があります。
診査・診断によって得られた患者さんの情報を元に、各治療を選択して行います。
その治療法の内容を簡単にご説明します。
歯髄(歯の神経)の保存
歯髄を保存する治療として、生活歯髄保存療法や歯髄温存療法などと呼ばれていますが、 当院では診査・診断によって歯髄の保存が可能と判断された場合は、ドックスベスト法を用いて歯髄の保存を試みます。
抜髄治療
感染した神経を取り除く処置になります。目的は、感染拡大を防ぐためです。コンセプトでもお伝えしましたが、ラバーダムを用いて感染源(唾液)の侵入を防ぎ、 NiTiファイルを使用して感染部を取り除きます。その際は、マイクロスコープで治療部を拡大し、感染部が残らないよう細心の注意を払います。
感染根管治療
根の先にまで感染が及び、炎症が起こり、嚢胞が作られることを根尖性歯周炎と言います。感染根管治療では、この根尖性歯周炎の治療を行うことになり、排膿・感染部の除去・消毒を行います。 その際も抜髄治療と同様に徹底した感染部の除去と感染源の侵入には細心の注意を払って治療を行う必要があります。
再根管治療
一度治療経験のある歯が再感染した場合に行う治療です。
再根管治療は成功率が最初の根管治療に比べて低下するのですが、次に説明する外科的歯内療法にてアプローチし、歯の保存を試みます。
再治療時に根尖性歯周炎になっている場合は歯の保存が難しく、抜歯の可能性もあります。
外科的歯内療法
根の先にまで器具が届かない場合は、根管が細くなっている場合などは歯根端切除術という外科的歯内療法を行います。
歯根端切除術は、治療する歯の周囲の歯茎を剥離し、骨の状態を確認します。その後、感染部の組織を完全に取り除いた後、根の先端を切除したとMTAセメントと呼ばれる抗菌性のある材料で封鎖します。
最終的に剥離した歯茎を縫合し、治療が完了します。
根管治療の流れ
1検査
口腔内の視診、レントゲン撮影、口腔内写真撮影などを行います。
患部の状態・症例によってCT撮影を行い、患者さん個々によって違う根管の本数や形態の把握をします。また、一般的な検査では見落としてしまう根管の状態を把握するためにはCTが最も重要であると言えます。
当院では初診時に必ず口腔内検査を受けていただいています。
詳しくは初診の流れをご覧ください。
2補綴物や土台の除去
一度治療したことのある歯に関しては、現在セットされている
3隔壁
一度治療した歯や健全な歯の面積が少ない場合には隔壁と呼ばれる壁を作成します。目的は3つあり、ラバーダムをしっかり装着するため、細菌感染や薬液が流れ出ることを防ぐこと、仮詰めが取れにくくするためです。
4ラバーダム防湿の装着
唾液に含まれる細菌の侵入を防ぐためにラバーダムは重要です。
治療部分のみに手術室を作るというイメージに近く、特に感染根管の場合は根管の無菌化が目的のため、ラバーダムは根管治療になくてはならないアイテムです。
5虫歯の除去
マイクロスコープ下で虫歯の除去を行います。虫歯の除去時にはう蝕検知液を使用し、虫歯の部分だけを丁寧に取り除いていきます。 神経が残せる場合は、ドックスベスト法にて神経を保存していきます。
6抜髄治療
抜髄治療が必要な場合は、NiTiファイルを使用して歯髄を除去していきます。除去後は薬液による洗浄、薬剤を詰めて仮歯をセットします。
7感染根管治療
感染した歯髄の除去、排膿を行ったあと薬液による洗浄を行い、薬剤を詰めて仮歯をセットします。
8外科的歯内療法
通常の根管治療で改善が見られなかった場合、もしくは再根管治療時に根尖性歯周炎担っている場合は外科的歯内療法(歯根端切除術)を行います。
9根管充填
仮歯の状態で様子を見た後、膿や炎症がないことが確認できたら、根管充填という薬品を根管内に詰めていきます。このとき隙間が生まれないように、薬剤を緊密に詰めることが重要です。
10土台作り
保存できた歯の破折を防ぐ、再感染を防ぐ目的でファイバーポストと呼ばれる土台を立てて、再度仮歯を装着し経過観察をしていきます。
11経過観察
治療後は定期的に来院いただき、経過観察をします。来院時にはレントゲンの撮影などの検査を行います。症状の改善、被せ物がセット可能と判断できた段階で被せ物の制作に進みます。
12被せ物治療
印象採得(型取り)を行い被せ物の製作に進んでいきます。再発を防ぐためには適合性の高い被せ物を作成する必要がありますので、歯科技工士と綿密な連携を取り、ベストな被せ物を作成します。被せ物が完成したら、セットしてメンテナンスへと移行します。
根管治療の症例
Case1 2次虫歯を根管治療で
歯を残せた症例
主訴
自発痛があって、ご来院。
セラミックインレーを装着していたが、近心から再度虫歯になってしまい、再発してしまったケースです。
治療の解説
ラバーダム防湿をして、治療
隔壁を作り、ラバーダム防湿をして、治療を行いました。
根管治療
感染歯髄を除去し、根管治療を行いました。
根管充填
オゾンガスで象牙細管内を殺菌しました。その後、MTAセメント及びドックスベストセメントで根管充填を行いました。
治療完了
最終的にファイバーコアを植立し、ジルコニアクラウンをセットして治療完了しました。その後は再発予防を目的にメンテナンスに通っていただいています。
治療のリスク
- メンテナンスを怠ると虫歯が再発するおそれがあります。
- 歯の状態によっては、細菌が全身に流れるリスクを考慮し、保存ではなく抜歯をご提案する可能性もあります。
- 歯の神経がない歯(失活歯)は、歯を残せたとしても破折するリスクがあります。
治療概要
治療期間 | 治療:3回 クラウン:3回 治療期間:トータル4ヶ月程度(仮歯込の期間) |
---|---|
治療費用 | 根管治療:176,000円 ファイバーコア:33,000円 ジルコニアクラウン:198,000円 |
※初診料、検査料は別途必要になります。
詳しくは歯科ドックのページをご覧ください。
Case2 治療を放置した残根を
根管治療で保存した症例
主訴
残根状態で、他院で根管治療した後クラウンをせずに放置されていた。 痛みがでて来院された。
治療の解説
1 充填剤を除去した写真です。
青く染まっている部分が虫歯になっているところです。
2 再根管治療をしているところです。
ラバーダム防湿を行った上で、マイクロスコープ下で精密な治療を行いました。
3 オゾンガスにて象牙細管内の細菌を殺菌しています。 当院では治療の予後を良好にするためにも、オゾンガスでの殺菌を徹底しています。
4 MTAセメントにて根管充填を行い、その上にドックスベストセメントを塗布。 これで治療した歯の殺菌が持続的に行われます。
5 根管充填後、ファイバーコアを植立し、ジルコニアクラウンをセットしました。 現在はメンテナンスに移行しています。
治療のリスク
- メンテナンスを怠ると虫歯が再発するおそれがあります。
- 歯の状態によっては、細菌が全身に流れるリスクを考慮し、保存ではなく抜歯をご提案する可能性もあります。
- 歯の神経がない歯(失活歯)は、歯を残せたとしても破折するリスクがあります。
治療概要
治療期間 | 根管治療:4回 クラウン:3回 治療期間:トータル4ヶ月程度 |
---|---|
治療費用 | 根管治療:176,000円 ジルコニアクラウン:198,000円 ファイバーコア:33,000円 |
※初診料、検査料は別途必要になります。
詳しくは歯科ドックのページをご覧ください。
Case3 銀歯の下の2次虫歯を
根管治療で保存した症例
主訴
冷たいものがしみるという主訴で来院されました。
銀のインレーがセットされた状態でした。
治療の解説
1 銀のインレーを外してみると、二次虫歯になっていました。
レントゲンを撮影すると歯髄にまで達しており、それによって冷たいものがしみるという症状に繋がっていたことも明らかになりました。
2 抜髄(感染した歯の神経を除去)したところです。感染部を取り残さないように丁寧に治療することが求められます。 したがって、ラバーダム防湿を行い、マイクロスコープ下で精密な治療を行いました。
3 抜髄及び根管治療終了時の写真です。 きれいな状態になっていることがおわかりいただけるかと思います。
4 オゾンガスにて根管内の象牙細管に潜む細菌を殺菌しているところです。
5 MTAセメントで根管充填後、ドックスベストセメントで封鎖しています。 これら両方のセメントを使用するメリットは、MTAセメントの封鎖性と殺菌性を活かすこと、 ドックスベストセメントの殺菌力の両方を生かすことで、継続的な殺菌をすることが可能になることです。
6 根管充填後、ファイバーコアを植立し、ジルコニアクラウンをセットしました。
ファイバーコアを植立後、ジルコニアクラウンをセットした写真です。 現在はメンテナンスで定期的にご来院していただいております。
治療のリスク
- メンテナンスを怠ると虫歯が再発するおそれがあります。
- 歯の状態によっては、細菌が全身に流れるリスクを考慮し、保存ではなく抜歯をご提案する可能性もあります。
- 歯の神経がない歯(失活歯)は、歯を残せたとしても破折するリスクがあります。
治療概要
治療期間 | 根管治療:3回 クラウン:3回 治療期間:トータル3ヶ月程度 |
---|---|
治療費用 | 根管治療:176,000円 ファイバーコア:33,000円 ジルコニアクラウン:198,000円 |
※初診料、検査料は別途必要になります。
詳しくは歯科ドックのページをご覧ください。
根管治療の費用
マイクロエンド
前歯 | 132,000円 |
---|---|
小臼歯 | 154,000円 |
大臼歯 | 176,000円 |
ファイバーコア
前歯 | 33,000円 |
---|---|
小臼歯 | 33,000円 |
大臼歯 | 33,000円 |
ジルコニア
前歯 | 209,000円 |
---|---|
小臼歯 | 198,000円 |
大臼歯 | 198,000円 |
歯根端切除術
前歯 | 110,000円 |
---|---|
小臼歯 | 132,000円 |
大臼歯 | 154,000円 |
治療後の
メンテナンスも重要です
根管治療に限らず、治療した歯を長持ちさせ、再発を防ぐためにはメンテナンスを継続的に行うことが大切です。
再治療を繰り返せば歯を保存できる可能性は著しく低下し、抜歯ということになれば、ブリッジ・入れ歯・インプラントなどの欠損補綴治療をする必要があります。
そうすることで、患者さんの身体的・経済的負担も大きくなります。メンテナンスを行うことはそういったリスクを回避し、問題がある場合は早期発見・早期解決に繋がります。
精度の高い治療は歯を残すために重要ですが、その状態を維持するためにはメンテナンスが何よりも重要です。
当院では治療からメンテナンスまで徹底してサポートしておりますので、安心してご相談いただければと思います。
無菌根管治療Q&A
無菌根管治療とはどの様な治療ですか?通常の根管治療との違いは何ですか?
根管の中の細菌がゼロになったことを確認してからお薬を詰める治療です。
通常の根管治療では細菌を調べないのでゼロになったかどうかわかりません。
レントゲンで異常がないからと言って歯の中の菌がゼロになっているわけではありません。
歯の中に、もし悪玉菌がいるとそれが原因で病巣感染を引き起こし全身の病気に関わることがあります。
根管の中の菌をゼロにすることは、歯を残す上で大事になってくるだけではなく全身の健康を保つためにも非常に重要なことなのです。
「無菌根管治療」と「マイクロスコープを使った根管治療」はどう違うのですか?
当院の根管治療でもマイクロスコープは使います。
つまり通常のマイクロスコープを使った根管治療に、プラス無菌治療をしていくということなのです。
従って通常のマイクロスコープの根管治療よりも治療成績が良くなっています。
また無菌根管治療をすることで、根管治療で歯を残すだけではなく全身の健康を維持することもできます。
細菌毒性検査をする意味は何ですか?
悪玉菌が出す毒素を調べることによって、歯の感染と全身の疾患のリスクを調べることができます。
厳密に言うと細菌が感染しているのは根管内だけではありません。
象牙細管や細い側枝(根管から枝分かれしている細い根管)にも細菌は感染しています。
悪玉菌が出す毒素を調べることによって、そのような細菌の有無を調べることができます。
どのように根管治療をしていくのか、あるいは抜歯が必要なのかどうかの治療方針を決定する上で、細菌毒性検査はとても有益な情報になります。
当院では、根管治療が必要な全ての方に細菌毒性検査を勧めております。
根管治療は痛いですか?
いいえ痛くありません。
当院では、痛みが出る可能性がある治療の時は必ず麻酔をします。
根管治療においても同じです。
神経を取った歯は基本的に治療中に痛みを覚えることはありませんが、少しでも痛くなる可能性がある場合は必ず麻酔をしておりますのでご安心下さい。
根管治療にかかる回数や期間はどのくらいですか?
おおよそ1回から4回です。
根管治療が必要な歯はそれぞれ全く状態が異なっています。
したがってそれぞれのケースで回数や期間は異なってくるのですが、だいたい1回から4回ぐらいで終わることができます。
根管の形態が複雑であるとかなかなか金が減らないケースであるとかの場合はさらに回数がかかることがあります。
そして一旦根管治療が終わった後、経過をみていくのですがその期間は最低3ヶ月ぐらいで、長いときは3年や4年ぐらいかかることもあります。
根管治療後の土台とかぶせはどうなりますか?
ファイバーコアとジルコニアセラミックになります。
根管治療後に入れる土台とかぶせは非常に重要です。
いくら精密な根管治療を行っても土台とかぶせの質が悪ければ歯は感染してしまいます。
質の高い土台やかぶせの方が質の高い根管治療よりも重要であるというデータもあります。
当院ではすべてのケースでファイバーコアとジルコニアセラミックを使用しております 。
根管治療後に改善が見られない場合はどうなりますか?
歯根端切除術を行います。
根管の形態は複雑であり、特に側枝の存在が根管治療を難しくしています。
通常の根管治療で改善が見られないケースはこの側枝が影響していることが多いのです。
その場合は側枝が集中している根管の先を外科的に切除する歯根端切除を行います。
通常の根管治療を「上からのアプローチ」歯根端切除を「下からのアプローチ」と言います。
根管治療というのはこの「上からのアプローチ+下からのアプローチ」からなっています。
まず上からのアプローチを行い、改善されなければ下からのアプローチである歯根端切除を行います。
「上からのアプローチ+下からのアプローチ」の根管治療を行っても細菌毒性検査において毒性レベルが高い場合は抜歯も検討していくことになります。
これは患者さんの全身の健康状態や患者さんの意向を加味して決定していきます。
かかりつけの歯科医師から抜歯が必要と言われましたが、無菌根管治療で治すことはできますか?
直すことができることもありますが詳細な検査をしてみないと分かりません。
かかりつけの先生が抜歯が必要であると仰るということは、その歯の状態はあまりよくないと思われます。
当院では まず、CT 撮影で歯や骨の状態を詳しく調べ、マイクロスコープで歯を詳細に見ます。次にかぶせをはずして根管内をマイクロスコープで直接観察します。また根管内の細菌を調べたり細菌の毒性を検査したりして最終的に決定していきます。
保険の根管治療とどう違うのですか?
治療の方法や使用する機材材料が違いますし、治療成績が違います。
日本で行われる根管治療の90%以上が再治療です。
これは保険の根管治療の精度の低さを表しています。
日本の保険の根管治療は、治療費の安さや簡易的な治療法であることにおいて世界でも類を見ない治療で応急処置的な治療法です。
根管治療をおろそかにすると病巣感染の危険性があり、全身の健康を損なうおそれがあるので保険治療で行うことはお勧めしません。
「害があるとわかっていることはしてはならない」という医聖ソクラテスの言葉があります。
当院では保険の根管治療は一切行っていません。
根管治療ではラバーダム防湿法は必要ですか?
必要です。
根管治療におけるラバーダムを用いた歯の隔壁は標準的医療です。
根管治療は内臓の手術のようなものです。
できるだけ無菌状態で行わないと感染を起こし治療がうまくいきません。
そのためにはラバーダムを使用することはとても重要になります。
口の中には様々な菌が大量にいます。
その菌で感染させないため、また根管治療時に使用する薬剤や器具などを誤飲や吸入させないためにラバーダムを使用します。